女子同士のキャッキャウフフな百合画像

【おまけの百合小説】

登場人物＆あらすじ

第１話



１２



朋花の抱擁は、温かくて柔らかかった。

だけど……

中途半端で終わってしまった行為。

ほんとなら抱き締められて、安心して落ち着きそうな心臓は、いまだドキドキが止まらなかった。


「可愛くてさー」


「え？」


胸にうずめていた顔を起こして、上を見上げる。

朋花は穏やかに微笑んで、私の方を見ていた。

そっと髪を撫でられると、自然と目を細めてしまう。

…いつぶりだろう、この感じ。



「優羽が可愛くて、ちょっと……好きっていうか、そういう気分になっちゃったんだよね」


照れているのか、少し頬を染めながら朋花は少しずつ、丁寧に言葉を紡いだ。

可愛いな。
そんな朋花を見て、私もそう思った。


ストレートな愛情表現。

さっき会ったばっかりなのに。

たらしだなぁ、と思うのに、全然悪い気分じゃない。
なんでかな。



私の方から素足を絡めると、すぐ近くにある朋花の心臓の鼓動がトクントクンと早くなるのが聞こえた。


「優羽？」


「いいよ。続き……」


心臓がバクバクする。

私、何言ってるんだろう。


「え？　な、何？　優羽、何て言った？」


「言わせないで。恥ずかしいんだからっ！」


もう何が何だかわからない。

けど、私の心も……身体も朋花のことを欲してる。

だからきっと、後悔しない。


そう思った。